釧路地方裁判所 昭和40年(レ)2号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕控訴人が被控訴人に対し金四万円を支払うべき旨を記載した控訴人主張の和解調書に基いて、被控訴人が、右残債権金一万円を執行債権として、控訴人所有の物件に対し強制執行をしたこと、控訴人が被控訴人に対し昭和三九年三月一七日右内金二万円を弁済し、同月二七日現金書留郵便で右内金一万円を送金して弁済したことは当事者間に争がない。
控訴人は右現金書留郵便で送金した金額は一万円ではなく二万円であるから右債務は全部消滅した旨を主張し、成立に争ない甲第二号証(書留郵便物受領証)には、申出損害要償額として「二万円」の記載があるけれども、申出損害要償額は、差出人の申出た金額をそのまま記入するものに過ぎず、右郵便には一万円しか在中していなかつた旨の被控訴人本人尋問の結果と対照すると、右記載のみによつては未だ送金した金額が二万円であつたことを認めることはできず、ほかにこれを認めるに足りる証拠がない。
してみれば、被控訴人の控訴人に対する前記和解調書による金一万円の残債権は弁済により消滅したとする確証はないから、これを執行債権とする本件和解調書に基く強制執行の排除を求める控訴人の本訴請求は理由がなく、これを棄却すべきである。(松浦豊久 友納治夫 鈴木悦郎)